再生する生き物と言えば、尻尾を切られても再生するトカゲやタコ、体をいくつに切ってもそれぞれで元の個体に再生するプラナリアが有名でしょうか。

実はもっと身近にそういう生物がいます。

それはミミズです。

ですが、全部のミミズがそうと言うわけでもなく、一部のミミズだけなので、それを紹介しましょう。

自分で自分を切ることで増えるミミズも!?

体を半分に切られたら、両方がそれぞれで再生するもの、頭の方だけ再生するもの、どちらも再生しないものがほとんどですが、ヤマトヒメミミズという種だけはどれだけ切られたとしてもプラナリアのように全てが再生することができます。

ミミズ 切る 再生

自らを切ることで生き残りにかけたヤマトヒメミミズとは!?

例えば道端などで見かけるミミズを三等分したとしましょう。

するとほとんどのミミズは再生されませんが、このヤマトヒメミミズだけは全ての部位で再生し、それぞれが各個体として生き残れます。

このミミズは体長1cmほどの小型で、1959年に海外で発見され、日本では1993年に発見されました。

通常のミミズは産卵で増えます。ヤマトヒメミミズも産卵で増えることがありますが、それは急激な環境変化の時だけに見られ、それ以外の時は自らを切って増やす「砕片分離(さいへんぶんり)」という方法がとられているようです。

スポンサードリンク

切ってから再生までの流れと寿命について

自分で切る時は、体の一部が輪ゴムで締めつけられたようにキュッと縮み、自分の体を引っ張って切る、あるいは雑巾絞りのようにねじって切るという方法をとっています。

そして約10個の砕片になり、条件が良ければ約4日で再生し、10日ほど経つと元の1cmほどに成長し、また砕片分離をして増えていきます

約200~2400日の寿命、回数が約10~120回と、なかなかの開きがありますが、平均して頭部の方の寿命が長く、回数が多い傾向にあるようです。

また、人為的に切る場合と、水に入れた場合の再生する割合が増減することがわかってきました。

部位によっても、その変化があるようです。

まとめ

条件が良いと、数ヶ月で一匹の個体から何万匹にも増殖する、その生命力は凄まじいですね。

記憶を持ちこせるのなら正に不死の生命体と言えるでしょう。

このことから、医学などの目的で研究が続けられています。

ただ、これはヤマトヒメミミズだけなので、数あるミミズの種の中でどうしてこの種だけがこのようなほぼ無限大の生命力を持っているのか不思議ですね。

クラゲやイソギンチャクなどの海洋生物に似たような生存方法を取り入れている種がいますが、不思議や神秘などの言葉ではどうにも納得できません。

だからこそ、探求が続けられているのでしょう。

スポンサードリンク