猫が吐くことはよくあることですが、その吐いたものの中に細長いミミズのような虫を見たことはないでしょうか?
吐くのはいつものことだし、その内なくなるんじゃないかと思ったら大間違いです。
猫が吐くミミズのようなものは回虫という寄生虫
白っぽくて、3~12cm、もしくはそれ以上に細長いミミズのように見えるものが蠢いていたら、ほぼ間違いなく回虫でしょう。
吐くのは猫回虫症と呼ばれる症状の一つです。
他の症状は大人の猫だと、やせる一方で食べても太らない、毛並みや毛の艶が悪くなる、軽い下痢などです。
子猫だと通常の糞より水っぽい糞や下痢をする、体重の増加が不調で発育不良が見られる、お腹が異常に膨れて見える、咳や嘔吐などです。
原因と感染して吐くまでの経路
主に野良猫や、外出する飼い猫が感染すると考えて良いでしょう。
様々な経路がありますが、回虫に感染した猫が排泄したもの中に卵が混ざることがあり、7日から10日ほどの時を経て幼虫が形成されて感染力のある成熟卵へと成長します。
卵が付着した鳥や小動物が猫の口に入る、卵が入った水たまりの水を猫が飲む、卵が付着した足を舐める毛繕いするなどの経路で感染します。
また、感染した母猫から授乳を通して子猫に感染する例もあります。
駆除と予防で猫を健やかに
大人の猫だと症状は軽いものばかりですが、子猫は下手をすると命に関わってきます。
駆除するためには動物病院で診察してもらい、適した駆虫薬をもらうのが一番です。
この時、現物を持っていくか、写真を撮っておくとスムーズに進みます。
予防方法は、外出させない、猫がトイレを使ったらすぐに掃除する、定期的な検査をする、フィラリア予防薬を投与してもらうなどです。
フィラリア予防薬は回虫を含んだ寄生虫に効果があるのでお勧めです。
また、人間にも感染して重症化する例がいくつか発生しているので、外で野良猫を愛でる、猫のトイレ掃除をしたなどの後は必ず手洗いをするのが良いでしょう。
まとめ
猫が吐くものにミミズのようなものが混ざっていたら、できるだけ早く病院に行きましょう。
今回の症例などは犬にも言えることです。
犬に感染すると犬回虫症と呼ばれ、症状も猫と同じようになります。
自分達人間も油断なりません。
ミミズのようなもの、回虫は人畜共に感染する「人畜(獣)共通感染症」、または「ズーノーシス」という部類になります。
気を付けていきましょう。