芝生のあちこちに積み上げられたミミズの糞土。
これをミミズ塚と呼ぶそうです。
美しい芝目にポツポツと開けられた小さな穴のそばに団粒状の土塊が至る所に!
見栄えは悪いし、これを放っておけば芝生が枯れてしまうことが多いのです。
そこで、芝生を守るためのミミズ対策について調べてみました。
芝生のミミズ対策。ミミズを誘き出して駆除しよう
ミミズの糞土が盛り上がったところは土壌のPHバランスが傾き、芝生が赤茶けるなどの被害を受け、放っておけば芝生が枯れてしまいます。
ゴルフ場の管理者も、芝生のミミズには頭を悩ましています。
青々とした芝生。
その景観あってのゴルフ場ですから、顧客がボールを打つたびにミミズの糞土を引っ掛けたりしていては話しになりません。
とはいえ、「これ!」といった対策も打てずに困っているそうです。
そのままにして芝刈機をかければ、芝刈機の刃がミミズ塚で傷つけられますし、糞土の塊の上を通過すれば、糞が崩れて巻き上がる塵がそこらじゅうにまき散らされます。
ミミズを地中から追い出すには、下記に記すような天然のサポニン等を使うのが手っ取り早いと思うのですが、地表面に何十匹も……いえ、時には何百匹ものミミズがうようよと這い出てきたら……?
芝生の景観云々を言っている場合ではなく、這い出てきたミミズを拾う作業に人手を割かねばなりませんし、除去した後の芝生の手入れも大変です。
ゴルフ場のグリーンは、薬剤や高圧水貫入処理でミミズを駆除しているそうです。
ですが、ご家庭の芝生はゴルフ場用途ではないのですから、ここは役立つ天然の忌避剤を使ってミミズ対策に挑むとしましょう!
芝生の下にはミミズがいる!
以下は体験者談です。
「庭の芝生の雑草が目立ってくる度、いちいち手で引き抜き作業をしています。作業中、必ず土中からミミズが這い出てくるのですが、雑草を引き抜いた穴からではなく、およそ30㎝離れた場所から出てくるんですよ」
面白い事に、芝生の上を歩いたり、芝刈機をかけている時には姿を見せないそうです。
どうやら、「手で雑草を引き抜く振動が、モグラが近づいてくる気配に似ているから」というのが、ミミズが這い出てきた理由らしいです。
それにしても、雑草を引き抜いたくらいでミミズが這い出てくるのですから、芝生の下にはどれほどの数のミミズがいるのでしょう?
ミミズは乾燥に弱く、しかも酸素濃度が十分でないと生きていけない土壌動物です。
地表面に出れば紫外線で短時間のうちに干からびて動けなくなってしまいます。
昼間は湿った土の中で暮らし、夜になると自らが掘った縦穴から上半身を乗り出して餌を食べたり、頭を下にして縦穴の底土を餌ごと飲みこみ、ミミズの腸を通り抜けた糞土が縦穴周囲に積み上がります。
これがミミズ塚の正体です。
大きなスコップで強い振動を与えたり、耕作用の大仰な機械で辺り構わず庭土を掘り返せば、ミミズは驚いて出てくるかもしれません。
ですが、お庭が芝生だとそうもいかないですよね。
湿っぽいのが好きなミミズは、日があまり当たらない湿った土の中や、根が張り巡らされている場所、湿った落ち葉の下、根の分解物が豊富にあり、かつ掘り返されない芝生や牧草地の下に大量に生息しているのです。
ミミズ塚が密集した芝生の部位は、踏むと芝が剥げてしまうラージパッチの症状が重くなる傾向が見受けられます。
薬剤などでミミズ対策!
庭土が入れ替え可能であれば、土を入れ替え、今後は化成肥料のみにすれば、ミミズが好まない土壌になります。
椿油粕(天然サポニン粕=天然の石鹸のようなもの)を芝生一帯がびしゃびしゃになるように撒けば、ミミズが地中から次々と姿をあらわします。
特に、ミミズ塚周辺に狙いを定めて撒くと良いでしょう。
拾ったミミズはバケツなどに入れて一か所に固めておけば、翌日には干からびてしまいます。
土壌に浸透したサポニンは数日で分解されるので環境にも安心です。
除虫剤では、「スミチオン」や「カルホス乳剤」を使うことでミミズを駆除できます。
まとめ
ミミズが直接的な行為で芝生に被害を与えることはないですが、その糞害で、芝生のラージパッチが引き起こされたり、芝生自体を枯らしてしまう、芝刈機の刃を傷めるなどの色々な弊害が考えられます。
芝生へのミミズ対策は、薬剤や天然サポニンが効果的です。