雨が降っている日、またはその翌日、道端を見るとミミズが大量発生していることがあります。
特に梅雨時に多く見ますね。
土が露出している所ならまだしも、そこから離れたアスファルトに進出し、晴れた日にはそのまま干からびていることも。
彼らはどのような原因で大量発生するのか探ってみましょう。
酸欠?土の温度?雨の音?原因は未だ研究中
ミミズは呼吸するための肺のような器官を持っておらず、皮膚呼吸だと言われています。
体表に分泌される粘液と皮膚を通して酸素などのガス交換をしているのです。
そのため、水中でも幾日かは生きることができます。
雨が降れば大量発生する原因の一番有力な説が、雨水による浸水で土の中が酸素不足になって出てくるというものですが、これに疑問を持っている人もいるようです。
考えられる原因その一、酸欠
雨水が地中に吸い込まれると隙間がなくなり、同時にミミズを含めた地中で呼吸する生物の影響で酸素が少なくなり、代わりに排出された炭酸ガスが充満していきます。
すると当然、酸素が必須な生物にとっては深刻な酸素不足になります。
特にミミズは先程も書いたように皮膚呼吸であり、酸素が少ない中では効率的なガス交換ができず、更に炭酸ガスには拒否するような動きが見られるため、苦しくて外に逃げ出したという説です。
外に出て一息いれられたのは良いのですが、問題は止んだ後です。
ミミズは乾燥にとても弱い生物です。
外に出ても雨が降り続いているなら生き残ることは可能ですが、止んだのなら難しくなってきます。
再び地中に戻ろうとしても、土が乾燥すると同時に硬くなってゆき、潜れなくなくなってしまいます。
曇りなら数日は生きられますが、晴れていて直射日光が当たっていたら乾燥に拍車がかかり、紫外線の影響も受けてミミズは干からびてしまいます。
考えられる原因その二、土の温度
雨でも気温が高い時は、地中の温度と湿度も上がります。
すると、微生物やバクテリアなどの地中の生物が活発になるために、土に含まれた有機物の分解や発酵が促進され、次第にもっと温度が上がります。
ミミズは自分で体温調節ができません。
おまけに、微生物などが活発なために酸欠も促進されます。
そのために地上に逃げ出したという説です。
考えられる原因その三、雨の音や月齢
ミミズには天敵が多くいます。
その中でも一番の天敵と言えるのがモグラでしょう。
地中に伝わってくる雨音をモグラの足音と勘違いし、慌てて外に逃げ出したという説です。
現在ではこのような説がありますが、ミミズの種類によっては雨とは関係なく大量発生していることがあるために疑問を持つ研究者もいます。
その人が観察を続けた結果、一部のミミズが新月、またはその前後に出現することが多いとわかったようです。
まとめ
今の所、やはり有力なのは地中の温度上昇や酸欠からの脱出でしょうか。
しかし、月齢の説も興味があります。
地球上の生物は多かれ少なかれ月の満ち欠けに影響を受け、特に繁殖に大きく影響しているようですしね。
人間の心身もそうですし、ミミズにも影響がないとは言い切れないように思います。
今後の研究に期待しましょう。