田畑にミミズがいるのは良いことだと言われていますが、自宅でカブトムシやクワガタを飼育している時、特に幼虫と蛹の段階で同じ所にミミズがいると発育の妨げになることが多いようです。
どこから入ってくるのか、どうしたら予防や駆除ができるのか見て行きましょう。
人工飼育だとミミズは育成の妨げになる
ミミズが食べるものは落ち葉や枯れ葉、土に含まれた有機物などです。
カブトムシとクワガタの幼虫は腐ったり朽ちたりして柔らかくなった木や腐葉土などを食べます。
お互い似ていますね。
どちらかと言うとミミズの方が活発に動き、幼虫よりも速く食べると言えます。
そんな彼らが同じ所にいると…
幼虫は周りの環境変化のため、蛹はミミズが動き回るため
幼虫を人工飼育しているなら、自然界の土に比べて幼虫に必要な養分が含まれている他、外敵から幼虫を守るという目的で大抵の人は市販されているマットという幼虫用の土を使用するのが多いと思います。
しかし、どこからかミミズが紛れ込む場合があります。
食性が似ている両者が同じ所で生きていると、当然食べ物の奪い合いになります。
そして活発なミミズの方が有利になり、幼虫に必要な養分を食べて消化して排泄して幼虫にとって不十分な土へと変化させてしまい、幼虫の成長が止まり、最悪の場合は亡くなってしまいます。
無事に成長して蛹になっても油断できません。
蛹の段階になると身動きがとれませんし、中の体もまだきちんと作られていません。
そんな自分を守るために蛹になる前に蛹室と呼ばれる部屋を作って身の安全を確保するのですが、ミミズは関係なく侵入してきます。
侵入される上に、蛹に触れるように動き回られると、中身の成長の妨げとなり、羽化できずに亡くなってしまったり、歪んだ形となって羽化したりしてしまうのです。
もっと言うと、幼虫の前の段階、すなわち卵の時にミミズに食べられてしまうこともあります。
飼育する上でのミミズへの対策
小さいミミズだと、それほど害はないのでまだマシですが、大きいミミズで数が多いと先程述べた害が生じます。
防ぐためには…
- 見えるだけのミミズを取り除く方法。
- 別の容器に新たな土を入れて幼虫を非難させる方法。
- 小さな容器に湿らせたキッチンペーパーやトイレットペーパーなどを敷いて、トイレットペーパーやサランラップなどの筒状の芯を丁度良い大きさにカットしてペーパーの上に設置し、芯の中に蛹、あるいは蛹になる直前の幼虫を移して蓋を締めて暗がりに置く方法。
- 最初に土やマットを容器に入れる前に、小分けして電子レンジで10分から20分ほど加熱消毒をする方法。
以上の方法があります。
加熱処理はミミズだけでなく、他に紛れ込んだ虫などにも有効です。
まとめ
強いイメージのクワガタやカブトムシですが、蛹から羽化して乾くまではとてもか弱い存在と言えます。
卵から蛹の段階までいくつもの外敵に狙われ、食べられてしまうのです。
幼虫の時に、ミミズには直接食べられなくても、必要な養分を横取りされてしまうなど、間接的な被害があります。
蛹の段階ではミミズに悪気はなくとも直接攻撃のようなことをされてしまいます。
良い成虫を誕生させたいなら、ミミズとは共存させないのが一番です。