土壌改良のため、飼っているヘビに与える餌として、または釣り餌の購入が高くつくため、などという理由でミミズを採集し、飼育して数を増やそうと思い立つ方もいると思います。
ミミズは主に、下記の3種類に分けられます。
- 家畜の糞などを好み、堆肥ミミズとも呼ばれる種類の「シマミミズ」、「アカミミズ」
- 土の中など自然環境下で生息し、庭でもよく見かける太くて長い「フトミミズ」
- 川や湖など水辺の傍で生息し、一般的には観賞魚の餌の用途である「イトミミズ」
自然界ではフトミミズ科のミミズたちの多くは冬を越せず、寒くなると命を落としてしまう一年性の生き物です。
3月下旬頃に卵から幼体が孵化し、およそ10週間後に成体になり、夏に交接して産卵します。
秋(11月頃)には2度目の産卵をし、寒くなると成体は亡くなってしまいます。
残された卵が春を待ちながら、冬越えします。
そのため、土を掘って採集しようとしても、ミミズの姿では見つけることができません。
体験者談によれば、「シマミミズは冬を越し、年中活動することができる。繁殖期も長いため、うまく飼育すれば爆発的に増える」とのことで、飼育も割と簡単です。
シマミミズは数年生きるといいます。
ですので、上記に挙げたうち、採集して飼育可能なのは「シマミミズ」と言えます。
ミミズ採集と飼育について
ミミズは10℃~20℃程度が生育適温と言われます。
夏の暑さや乾燥に弱いのは当然ですが、気温が低すぎても飼育できません。
冬越えするために身を隠しているミミズを見つけて採集し、飼育用に持ち帰りましょう。
体験者談によれば、ミミズが隠れていそうなポイントにうまく当たれば、真冬でも面白いように採集できるとのこと。
気温が低いと動きが鈍くなるので、採集しやすいそうです。
ミミズの採集と飼育
ミミズコンポストは良く知られていますが、これで飼育するのはシマミミズです。
シマミミズの名の如く、縞模様がはっきりしているのが特徴です。
シマミミズに似たアカミミズは縞模様がぼやけており、アカミミズは土に潜るのでコンポストには適しません。
まずは、コンポストに使うシマミミズを採集します。
自然環境下でシマミミズを発見するには、牛舎などで牛糞がたい積されている所や、たい肥のような腐植物がある場所を探しましょう。
冬は冬眠し、数年生きることが可能です。
シマミミズを採集した場所と同じ土で飼育すれば、かなり長生きするそうです。
また、野菜や落葉などの発酵熱で冬眠をせずに活動することもでき、条件がよければ一年中産卵します。
雌雄同体で一匹だけでは卵が産めず、飼育で数を増やしていくには最低でも2匹は必要です。
一日に自分の体重の半分量の餌を食べて分解します。
乾燥は苦手ですが、ある程度の湿り気があればOKで、大量の水に浸かれば溺れてしまいます。
コンポストで常時シマミミズを飼育していれば、冬場の魚釣りの餌として、また、ガーデニングにも利用できます。
シマミミズが好きな食べ物
シマミミズはコーヒーカスが好きなので、出がらしを乾燥させて土に混ぜます。
好んで食べる物として、ニンジンやキャベツ、レタスなどが挙げられます。
新鮮な青葉よりも、古くなった葉の方を好みます。
野菜屑は細かく刻んでやり、ミミズが食べ残して腐らないかを頻繁にチェックしましょう。
ミミズ密度が高すぎると集団脱走を謀るので、十分な対策が必要です。
まとめ
ミミズの採集と飼育について見てきました。
冬越えもでき、ミミズコンポストなどで簡単に飼育できるのは、「シマミミズ」という種類のミミズだということがわかりました。