たまには庭の手入れでも……と思い立ち、何気なく土を掘り返したら、「うぎゃーっ!」なんと、大量のミミズがあらわれたではありませんか!
でも、このミミズ、一体どこからやってくるのでしょう。
鳥に運ばれたり、初めから土に混入している。自ら移動してくる場合も
空高くそびえるビルの屋上。
隅っこに溜まった土の中にミミズが混じっていた。
家庭菜園のプランターの中に、いつの間にかミミズが棲みついていた。
雨上がりの或る朝、アスファルトでミミズが干からびていた。
など例を挙げれば数えきれないほど、ミミズとの遭遇度は高いものです。
考えられることとして、ミミズがどこかから何かに運ばれてくる場合と、自分で移動してくる場合があります。
鳥に運ばれたり、初めから土に混ざっている場合
ミミズは卵から生まれます。
交接後で卵を抱えている状態のミミズを鳥がついばみ、例えば、ビルの屋上の片隅の土の上に糞を落とした時、鳥の糞の中に孵化を待つミミズの卵が混ざっているかもしれません。
また、鳥がミミズを食べる際に何かの拍子でミミズの卵が鳥の足に付着し(食べやすいように、鳥がミミズを足で押さえて固定したなどで)、ミミズの卵が運ばれる場合も有り得ます。
土などの適応した場所にミミズの卵が付着すれば、いずれ卵は孵化してミミズが誕生します。
一つの卵につき二匹~数十匹以上のミミズが生まれます。
ミミズは雌雄同体で繁殖が容易なため、条件が良ければどんどん数を増やしていきます。
購入してきた苗の土の中にいつのまにかミミズが居た場合、(上記の場合を除き)初めから土の中(苗床)にミミズの卵が付着、混入し、それが孵化してミミズになったのでしょう。
自ら移動してくる場合
ミミズの体の表面には、体節ごとに出し入れ可能な短く頑丈な剛毛が生えています。
体を伸び縮みさせながら、剛毛で引っかかりを作って土の中を前方へ移動します。
ミミズには骨がないのですが、体の中は体節ごとに隔壁によって仕切られている構造です。
こういった細かく仕切られた隔壁に、体腔液(動物の体内にあり、組織間を満たしている液体)の圧がかかれば案外頑丈なものになり、これが、骨がないミミズが土を掘り進める理由です。
これを静水力学的骨格と言います。
ミミズは想像以上に土の中を移動します。
移動速度としては、毎分ごとに自分の体長くらいは動けるそうです。
- 小さなミミズは、毎分ごとにおよそ12㎝
- 中~大くらいのミミズは、毎分ごとにおよそ90㎝
- とても大きなミミズは、毎分ごとにおよそ120㎝
また、土の中だけでなく、地表面を蛇行して移動することもありますし、危険を感じた時にはピョンピョン跳ねて移動します。
ミミズは酸素と餌を得られる場所であれば、そこを好んでどんどん繁殖していくので、「覚えもないうちにミミズがたくさん棲みついていた」という状況に出くわすのです。
まとめ
ミミズを増やしたいのであれば、育てている作物間の土壌表面を藁や刈り取った草などで覆えば適度な湿度が保たれるので、たくさんのミミズが集まってくるそうです。
そういった状態が続けば、わざわざ人の手で耕さなくても土が柔らかくなるそうです。